安藤祐介「宝くじが当たったら」感想

安藤祐介さんの「宝くじが当たったら」読みました。
宝くじが当たったらどうするか、常々考えている問題です。
しかもこの本を読んでいる間は、ずっとずっとかなり真剣に考えてしまいました。
もう、頭の中は宝くじが当たったらでいっぱいです。

32歳、わくわく食品経理課勤務、独身。ごく普通のサラリーマン・修一の趣味は宝くじをバラで10枚買うこと。ところが今年、一等、2億円が降ってきた。あくまで堅実でつつましい生活を続けようとした修一の目の前に、急に現れた親戚、慈善団体に同級生。さらにネットに実名が流出、会社の電話が鳴りやまない! 最高の幸福が招いた大混乱、いったい誰を信じれば? ジャンボなドリーム、宝くじエンタテインメント!
この主人公、会社の経理の人間なのですが、宝くじを持って銀行へ行くのに、いつもの取引銀行へ。
しかも会社の名札をぶら下げて、社名も部署もフルネームも公開しながら取引銀行へ行ったのです。
いくら動転してたからとはいえ、それはないです。
そして誰かに言いたくてしかたなくて、母親に打ち明ける。
そこから親戚一同、ご近所さんへ。
会社にはいたずら電話がかかるようになり、ネットには写真まで公開され…。
仕方なく上司に報告。←なんで?と思ってしまいました。
そして会社中にも知れ渡り、ジャンボ君なんて呼ばれ、他の支店からも物見遊山に来られ、でも会社を辞める気はない。
普段通りの生活をしたいのです。
でもフェイスブックらしきもので報告し、同級生を集めてサロンを開く。
それには、行方不明になってる親友を探すという目的があったのだけど、それなら興信所に頼んだ方が早いし確実だと思いました。
さらに、詐欺には合うし、実家は放火され、友達にはだまされ、サラ金から電話の嵐、挙句社長から依願退職を勧められ…。
やることがいちいち私には意味不明で、何がしたいのかよくわからない。
舞い上がって、周りに踊らされていた気がします。
結局2億円全てなくしてしまい、ちゃんちゃん。
失くしたものは数知れず。
でも少しだけ得たものもありました。
かわいい猫と彼女。
そして、新しく見つかるだろう仕事。
また一から、幸せにやっていけるのでしょう。
もしも私が宝くじ1等2億円が当たったら…少なくとも誰にも言いません。
それだけは教訓にしたいと思います。