万城目学「八月の御所グラウンド」読了

万城目学さんの本は、ほぼほぼ読んでいます。
今回読んだのは、2023年8月発売の最新作「八月の御所グラウンド」です。
ホルモー以来16年ぶりに万城目学が京都を駆け巡るの巻です。
そして第170回直木賞受賞作です。
おめでとうございます。

女子全国高校駅伝ー都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。謎の草野球大会ー借金のカタに、早朝の御所Gでたまひで杯に参加する羽目になった大学生。京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとはー人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇。
京都を舞台にした二つの物語。
・十二月の都大路上下(カケ)ル
・八月の御所グラウンド
【十二月の都大路上下(カケ)ル 】
これは、高校生の駅伝の話。
まだ1年生で、応援だけのつもりで参加していたのに、急遽走ることになり、しかも最終ランナー。
方向音痴の様子も可笑しくて、普通の話として読んでいたのですが、そういえば万城目学だったと思い出し、どこ、どこ?不思議はどこに?と思ったところで、きたーーーって感じでした。
ただ、話はまだまだ続くと思っていたので、終わってしまってちょっと淋しい…。
もう少し何かあればよかったのに。
ただ想像するしかありません。
走者だけが見ることができるのかもしれません。
もしも来年また来ることができたら、また会えるのかもしれませんね。
友情も芽生えた、なんだか心温まる話でした。
ただ、方向音痴がすごすぎる。
そして上下ルと書いてカケルと読むのもすごく気に入ってます。
京都の住所って、上がる下がるがあるのが情緒があって好き。
【八月の御所グラウンド】
こちらは大学生の夏休みの野球の話。
御所にグラウンドがあるんですね。
いつか見てみたいです。
京都の夏はそれはもう暑くて…、だから早朝から集まってするのです、御所グラウンドで野球を。
就職が決まったので、どうしても卒業しなくてはならなくて、教授命令で野球大会で優勝しなければならないのです。
そうすれば、卒業させてくれるとか。
でも夏休みだし、お盆だし、最初はギリギリ集まった9人だけど、だんだん人が集まらなくなる。
ところがどういうわけか、ちゃんと集まるんです。毎年そうらしいです。
たまたまやってきたゼミの先輩とか、通りかかった見知らぬ人とか。
それが実はとんでもない人で…そんなことってある?
まあ、京都だからね、そんな感じです。
京都って、何が起こるかわからない、何かが起こりそう。
実際の京都ではどうかわからないけど、物語の中では京都は摩訶不思議。
こちらも、野球大会は優勝できたのか、卒業できたのか、そんなところまでは書かれてなくて、明日も試合がんばろうで終わりです。
いろいろ想像が膨らむ二つの話でした。